こんにちは。別れさせ屋・リースター総合探偵社の広報担当です。
本日より、全5回にわたる「あるご依頼事例」の連載をスタートいたします。 人間、誰しも人生の絶頂から一瞬で地獄へと突き落とされる瞬間があります。今回は、30代前半という人生の転機を迎え、4年寄り添った恋人を信じ抜いた末に、あまりにも残酷な光景を目撃してしまったある女性(仮名:A様)の、魂の救済の記録です。
幸せな未来を夢見ていた彼女に、一体何が起きたのか。まずはすべての始まりである「第1話:ご依頼に至った経緯」からご覧ください。
目次
- 4年目の「そろそろだね」。動き出した理想の結婚
- 激変した週末。「マリッジブルー」という免罪符の罠
- 深夜0時のエントランス。響き渡った「嘘だろ」という会話
- 愕然と見送った背中。夢見た式場に消えていく二人
1. 4年目の「そろそろだね」。動き出した理想の結婚
当時30代前半だったA様には、4年間ひたむきに交際を続けてきた同世代の彼がいました。
平日はお互いに仕事をバリバリと頑張り、週末は決まってどちらかの家で一緒に過ごす日々。
夏休みや冬休みといった長期休暇には、温泉街へ出かけたり、話題のテーマパークへ旅行したりと、誰もが羨むほど仲の良い、理想のカップルでした。
交際4年目を迎え、年齢のことも意識し始めたA様は、意を決して彼に想いを伝えます。
A様:「私たち、そろそろ結婚したいな」
すると彼は、優しい笑顔で真っ直ぐに答えてくれました。
彼:「そうだね、そろそろだね」
その言葉をきっかけに、二人の未来は一気に現実味を帯びて動き出しました。
一緒に結婚情報誌をめくり、ウエディングフェアに足を運び、具体的な式場の候補を絞り込んでいく――。
A様は、人生で最も幸福な時間に包まれていました。

2. 激変した週末。「マリッジブルー」という免罪符の罠
しかし、幸せの歯車は、ある時期を境に音を立てて狂い始めます。
あれほど毎週欠かさずに会っていたにもかかわらず、徐々に週末のデートを断られる日が増えていったのです。
彼:「今週はちょっと仕事が立て込んでいて、疲れているんだ」
彼:「ごめん、今週末は休日出勤になっちゃって」
彼:「これから結婚式を挙げるんだから、もっと僕が稼いで働かないとね」
もっともらしい理由を並べる彼。
A様は、彼が結婚という大きな決断を前に一時的にナーバスになっている、いわゆる「マリッジブルー」なのだろうと解釈していました。
「年内にはお互いの両親への挨拶を済ませて、来年には念願の結婚式を挙げよう」
そう心に決めていたA様は、彼を急かさないよう、優しく見守ることにしました。
A様:「そろそろ、うちの両親に挨拶に来てほしいな。あなたのご実家にも行かないとね」
彼:「うん、しっかりと良い日取りを決めないといけないね」
口ではそう言いながらも、彼は一向に具体的なスケジュールを決めようとしません。
気づけば、最後に顔を合わせてから2ヶ月近くが経過していました。
それでもA様は、彼の
「結婚資金のために休日も返上して働いている」
という言葉を寸分の疑いもなく信じていました。
彼だけに苦労をかけまいと、A様自身も土日に単発のアルバイトを始め、ダブルワークで貯金を増やし始めたのです。
すべては、大好きな彼と結ばれる、輝かしい未来のために。

3. 深夜0時のエントランス。響き渡った「嘘だろ」という会話
会えない寂しさが限界に達した、ある土曜日の夜のこと。
「働き詰めで疲れている彼を、手料理で驚かせたい」
そう考えたA様は、彼の大好物のおかずを詰めたお弁当と、お気に入りのワインを抱え、彼の自宅マンションの近くで帰りを待つことにしました。
仕事が終わって帰宅するであろう時間を狙っての、サプライズのつもりでした。
しかし、いつも帰ってくる時間を過ぎても、彼の姿は見えません。
1時間、2時間と、冷たい夜風のなかで待ち続けました。
「休日出勤のうえに、こんな時間まで残業なんて……本当に私のために頑張ってくれているんだな」
健気にそう思いながら、スマートフォンの時計が深夜0時を指そうとしたその時、街灯の向こうから、ようやく見覚えのある彼のシルエットが近づいてきました。
しかし、A様は息を呑みました。
彼の隣には、寄り添って親しげに歩く「見知らぬ女性」の姿があったのです。
心臓が激しく波打ち、パニックになりながらも、A様はとっさにマンションのエントランスの死角へと身を隠しました。
自動ドアが開き、彼と女性がエレベーターを待つためにホールへ入っていきます。
静まり返った深夜のエントランスに、二人の弾んだ会話が不気味に響き渡りました。
女性:「あー、もう本当に結婚式が楽しみだね!」
耳を疑いました。脳内が真っ白になり、激しい目眩がA様を襲います。
結婚式が楽しみ? 一体なんの話をしているの? 私と挙げるはずの式の話をしているの? それとも……彼は、私の知らないこの女と結婚するつもりなの?

4. 愕然と見送った背中。夢見た式場に消えていく二人
翌日の日曜日、A様は一睡もできないまま、早朝から再び彼のマンションの前で張り込みを続けました。
お昼前、昨日と同じ女性と手を繋ぎ、満面の笑みでエントランスから出てくる彼の姿を確認。
怒りと悲しみで震える身体を抑えながら、A様は必死に二人の後を追いました。
電車を何度も乗り継ぎ、1時間近くかけて二人が辿り着いた場所。
そこを目にした瞬間、A様はその場にへたり込みそうになりました。
そこは、都内でも大人気の高名な結婚式場。 かつてA様が彼に向かって
「私、絶対にこの素敵な式場で結婚式を挙げたい!」
と、目を輝かせておねだりしていた、まさにその場所だったのです。
華やかな式場のゲートへと、親密そうに肩を並べて入っていく二人。
それをただ愕然と見送るしかなかったA様の絶望は、計り知れません。

彼は、A様の夢を盗み、A様ではない別の女性と、あの場所で人生の誓いを立てようとしていたのです。
「そんなこと、絶対にあり得ない。絶対に、許せない――。」
裏切りの全貌を突き止めたA様は、泣き寝入りすることなく、その足でリースターへと駆け込まれました。
奪われた未来を取り戻すため
「あの女と彼を別れさせて、もう一度私と結婚させてほしい」
という切実な決断を下したのです。
ここから、リースターの精鋭による緻密な身元調査と、容赦ない工作の幕が上がります。
その2に続きます
それでは。
※写真はすべてイメージです。
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